2017年1月から使い出してくださった、静岡県浜松市のヘアサロンEIGHTさん。
以前にご紹介させていただいた、香川県丸亀市のコレットさんと同じ週にお問い合わせをくださった、ナチュラルコスモ取扱サロンの初期の初期のサロンさまです。
サロンでのお取扱開始の初期だから、いくつか不安がありました。
自信を持って作ったヘアケアたちだけど、サロンで使った時その良さは活きるのか?それとも意味がなくなってしまうのか?
そもそもサロンではケミカルの方が合っているのではないだろうか?サロンから帰っていただく時の状態を最も良くするには、やっぱりケミカルの手触りにはかなわないのです。
ナチュラルの良さって、使っているうちに健康になってくるところ。もちろん最初から効果を感じていただけるように作っていますが、サロンにはスタイリング剤や美容師さんの技術力があるので、それを活かそうと思うとケミカルの方がいいのではないか?と考えていたんです。
でも、EIGHTさんには驚きました。どんどんご注文を下さるのです。お客様の根元が立ち上がる!というご感想と一緒に。
香川県のコレットさんとほぼ同時のお取り扱い開始だったのですが、どちらのサロンさんも毎週のように感想を送って来てくださっていました。
そして、極めつけは名古屋でイベントをしていた時に、わざわざ浜松から会いにきてくださったこと。どれだけ嬉しかったか。私たちはヘアサロンでの使用には向いていないかもと思っていたのに、こうして一緒にお仕事をさせていただいているサロンさんが目の前にいる驚きと嬉しさ。イベントのことで頭がいっぱいいっぱいで、その喜びはきちんとお伝えできませんでした。今ここでさせていただきます。ありがとうございます:)
さて、インタビューのお話に移りましょう。
今回初めてお伺いさせていただいて一番印象に残っていることは、実はヘアサロンのことではなくて、オーナーの細田さんが奥さんと最近始められたオーガニックワインのスタンディングバー「Le Haco」。そうなんです。なんと飲食もされていらっしゃるんです!
誤解を招いてしまうかもしれないのできちんと明記しておきますが、決してヘアサロンが印象に残らないというわけではないのです。むしろ特筆すべきことがいくつもあるサロンさんです!
ヘアサロンの建物は白が基調の箱が積まれたような外観で、お店の名前はヘルヴェチカフォントで書かれています。(グラフィックデザイナーの私には、このフォントは王道であり、グラフィックデザインを象徴するフォント。)まるでスイスのコンストラクティヴィズムを現代風にもっとシンプルにしてしまったような外観。(なんと細田さんご自身でデザインされたのです!ワインバーも!)
お伺いさせていただいた日はお母様も髪を切っていらっしゃりました。とても溌剌とした元気さが印象の方で、昔からこの場所でずっとずっと慕われてやってこられているんだろうなぁということが、お客様との空気感からすごく感じられるのです。
それに、私もそうですから、親子でご商売をやっていらっしゃる楽しさや大変さもよくわかります。
後のインタビューの部分で書きますが、細田様のヘアデザインを作り込むのではなく、ヘアデザインが勝手に決まるようにする土台を作るというコンセプトも含め、普通じゃない要素は数多くあります。
それなのに、なぜワインバーが印象に残っているのか?
その理由は、細田さんがオーガニックのワインバーを始められた理由にあります。
ただ単に「自分にオーガニックが合っていたんです」
というすごく簡単な理由。
どういうことかというと、ワインが好きだけど、酸化防止剤が入っているものを飲むと翌日体がしんどくなる。
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酸化防止剤が入っていないオーガニックのものを飲んでみたら、翌日体の調子がいい。
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地元で手に入るところがないから、自分の好きなフランスの珍しいものも気軽に立ち飲みで食べられる場所を、自分で始めることにしました。(なんとサロンが終わったら、その足でワインバーに立たれるそうです!)
問題を突き詰めていったら、オーガニックのものだと解決できたということなんです。
オーガニックが好きだったわけではなく、ワインを通して自然とオーガニックの良さを知っていかれたとお話ししてくださりました。
一度オーガニックの良さを感じられたら凝りだしたらしく、コーヒーもフェアトレードでシングルオリジンのオムニバスコーヒーの豆を使ったものを提供されていらっしゃるそう。
並んでいるキッシュやカヌレも、すべて奥様が作っていらっしゃるのです。
これ、ナチュラルコスモがナチュラル・オーガニックヘアケアを作り始めた理由とよく似ているんです。
ナチュラルコスモはもともとはブルーグリーンアルジーとコロイドミネラルを販売していた食品会社。ヘアケアを作る前は、普通にドラッグストアで購入できるシャンプーやスタイリング剤を使っていました。ナチュラルなものを使う必要性がわからなかったのです。
ですが、ある時あやめちゃん(創業者上林昌三の妻・私の母)の頭皮が化学成分過敏症になってしまい、様々なシャンプーを試しましたが治らず、必要にかられてヘアケア開発を上林昌三が決意し、ナチュラルコスモのヘアケアの歴史が始まりました。出来上がったものを使っていたら、娘(私の妹)の唯一残っていた首元のアトピーもきれいになくなり、ナチュラル・オーガニックの化粧品の良さを身をもって知りました。それからは、自分たちの髪や肌に合っているもの作って使う楽しみに取り憑かれたようになっていましたね。でも、だからこそ、私たちは誇りを持って仕事ができます。
細田さんのお話をお伺いさせていただいた時、この方もきっと同じようなお気持ちで、サロンワークもワインバーもやっていらっしゃるんだろうなぁ。自分が気持ちいいから、お客様も気持ちよくなれるだろうなぁという清々しい思いを持っていらっしゃるんだろうなぁ、と思ったのです。
サロンインタビュー後、寄らせていただいた際に奥様に飲ませていただいたワインは本当に飲みやすくすっきりとした、清々しい味わいの赤でした。キッシュもカヌレも本当に美味しかったです。
今回は録音音源が聞き取りづらかったため、メモを元にした質問と答えの形式で書かせていただいています。(まだまだインタビュー連載は始めたばかりで失敗することがあり、ご協力していただいているサロン様に本当に申し訳ないです。録音の方法も勉強しようと思っております)
質問(拓也):
お問い合わせをいただいた頃、私どもは全然有名でもなんでもなかったはずですが、どうやって知られたんでしたか?
答え(細田):
東京で美容ライターをやっている友人から教えられたんですよ。
「泡パックって画期的じゃない?ブルーグリーンアルジーってすごいよ。」って言われたんです。
(ご友人はAYANAさま。それはそれは可愛い猫のシー吉ちゃんを飼っていらっしゃるライター様で、私どものことを本当に初期から注目してくださっています。どうもありがとうございます!)
質問(拓也):
どのような期待をされていらっしゃりましたか?
答え(細田):
本当にナチュラルなのかどうかは気になりました。ナチュラルって言われていてもナチュラルじゃないものもたくさんあるので。もともと界面活性剤すらも使わないようにするか悩んでいたんです。石鹸素地の方がいいのだろうか?でも、何も入っていないかわりにごわつくものが多くて。でも友人がいいよーって言うので、そうなんだろうなーと思っていました。
質問(拓也):
実際に使われてどうでしたか?意外な点などありましたか?
答え(細田):
毛髪が立つのが簡単に実感できました。
それも1ヶ月とかじゃなくて、1週間とかで!
でもみなさん何も言わないんですよ。でも皆さん買ってくださるんですよ(笑)感想は何も言わないで、これくださいって(笑)。
静岡の方の特徴なんですけど、あまりどうだったかしゃべらないんです。人に自慢もしないしオススメもあまりされないんです。でも気に入っていらっしゃることはわかるんです。みなさん購入してくださるから。
それと、自分で使ってみて思っていたのですが、お客様が購入されて、気軽に家でも使えるものだなぁと。使い方がシンプルでこれだけでいいし、キシミも弱いから。案外家では使いにくいものって多いんです。
使い出してしばらく経った方で、もともと根元がぺったんこだけど髪の量が多い方がいらっしゃるんです。ベタベタ、でもボワっとなってしまっていたのが、すごくいいボブができるようになりました。
実感できるから、使うだけで買って帰ってくれる方が多いんです。作り手が見えてるっていう安心感があることも伝えられるのがいいですよね。
質問(拓也):
サロンのコンセプトは何ですか?
答え(細田):
土台づくりです。
大きなサロンで働いていた若い頃はヘアデザインありきの仕事だったんですけど、年数を重ねてくるとお客さまの髪質も変わってくる。ヘアデザインを作るための髪を作らないとデザインが作れないようになってきたんです。そうやって求めているものが自然と変わってきました。
独立してサロンを始めた時に、ナチュラル・オーガニックのものを取り扱いだしたんですが、オーガニックですよって言っているわけではなくて、きれいな土台を作るのにオーガニックが適していたという感じです。
言い方を変えると、生まれた状態に近いベースを作りたかったんです。本来の素の状態。何も付いていないのに艶があって、根元も立ち上がる。素の状態ってきれいなはずなんですよね。
ナチュラルってこういう腑に落ちる説明ができるところがいいんです。
ケミカルでは素の状態は作れないですからね。
最近はインスタグラムでヘアスタイルを載せることが流行ってますけど、あれはヘアデザインを作り込んでいて、家では再現は無理なもの。今のわたしは、サロンでは技術でなんとかしてしまうことはしたくないんです。それはお客様のためではなくて自己満足になってしまうから。
ナチュラルコスモさんは家でも使いやすくて、根元もきちんと立ち上がるし、毛先もまとまってくる。だから私のお客様が求められるような髪型がきまりやすくなって、家でも再現できるようにしてくれるんです。
質問(拓也):
なぜこの場所でやっていらっしゃるんですか?
答え(細田):
地元だからです。東京にこだわる理由がないんです。
別に目立たなくてもいいんです。いいことをやってたらお客様は来てくださるから。それにこの地域はオーガニックとかを知っていらっしゃる方が多いんです。ゆっくりとお客様とお話ができる場所でもあるんです。近くには佐鳴湖という大きな湖があって、ランニングをしている方や、犬の散歩をされていらっしゃる方がいて、本当にゆったりとしていてきれいな地域なんです。
拓也:そうですよね!わたしもさっき歩いて来たんですけど、ランニングしたくてウズウズしてしまいましたよ!湖すぐ近くですよね!遠くにはてっぺんに雪が積もった山も見えて、景色が本当にいい!そういえば、最寄りの駅から富士山が見えましたよ!富士山が見える場所に住めるなんてほんと贅沢!
このあと、私の地元大阪の美味しいワインバーを教えていただき、撮影をして終了。
EIGHTさんご夫婦は、言葉で表現するなら
「飾らない」がテーマのご夫婦。、
自分のしたいことを、自分のできる範囲でやる。自分が気に入っているから使う。人にどう見られるのかは気にしない。
SNSにも自分たちは出ないでおこうと決めていらっしゃるそう。
こんな自由なサロンさまと出会うことが出来たこと、本当に本当に嬉しいですね!